ムール貝とポルチーニ茸のスープ仕立て

Zuppa di Cozze e Funghi Porcini

 

日本の天然キノコといえば、松茸。一年を通して安価に出回る他の種類と違って、独特な芳香と触感のため、『食欲の秋』の風物詩として不動の人気があります。

一方のイタリアの天然キノコといえば、ずばりポルチーニ茸。甘い香りと強い旨み、弾力のある食感で幅広い調理法に適応でき、この季節ながらではフレッシュなものをパスタやリゾット、肉料理に合わせるのもいいのですが、少し目先を変え、(古代ローマより海の中に杭を打って貝を付着させる養殖法を既に用いていたとも言われるように)今や年中手軽に手に入るムール貝(cozze)を使って、必須アミノ酸豊富で栄養バランスも優れ、体も温まる秋の醍醐味を感じるピアット(一皿)をご紹介いたします。

材料:(4人分)

  • ムール貝(cozze) ・・1kg(国産で産地や収穫日のタグのついたもの)
  • じゃが芋 ・・中4個
  • ポルチーニ茸 ・・中ぶり3本(約500g、他のキノコで代用可)
  • エシャロット(scalogno) ・・2個(玉葱小1個で代用可)
  • トマト・・1個
  • アンチョビ・・1枚
  • にんにく・・1方
  • 唐辛子・・1本
  • イタリアンパセリ・・2枚
  • 白ワイン・塩・胡椒 ・・適宜
  • パン・・お好みで
  • エキストラバージンオリーブオイル ・・適宜

下準備:

  1. ムール貝は金属タワシでシッカリと摩り、糸のような足糸を指先で引いて取り除き、表面の硬い汚れはキッチンバサミの刃先でこそげ取ります。最後に、流水の下で両手で貝同士を摩るように汚れを洗い直し、水気をよく切っておきます。
  2. ポルチーニ茸は、山野のキノコですので汚れが気になる場合は、水で濡らしたキッチンペーパーなどで不要物を拭き取ります。

作り方:

  1. 皮の表面をよく洗ったじゃが芋を丸ごと深鍋に入れ、水を多めに注ぎ強火で茹で始めます。30分程かかるため、時間の節約に耐熱容器に入れ、電子レンジで5~8分ほどの過熱でも可。
  2. 大きい平なべ(テフロン加工のものでないもの)に、大匙1のオリーブオイルを敷き、にんにくの粗みじん切りとアンチョビと唐辛子を入れ、弱火で温め、油から泡が立ち、香りが出たら、下準備したムール貝を一気に投入します。木べらなどで全体を返すように混ぜたら、一気に強火にし、白ワインを大匙2~3振り入れ、かき混ぜながら蓋をします。
  3. ②のムール貝を時々かき混ぜては蓋をし、完全に貝の口が開くまで5分程強火のまま炒め煮します。開いたら別のボウルなどに取り出しておきます。
  4. ③の空になった鍋に、オリーブオイルを大匙1敷き、薄切りにしたエシャロットを入れ、弱火で焦げないように炒めます。ポルチーニ茸は、大きめに形を残すように切り、油を絡めるように炒め、ざく切りしたトマトも加え、さっと炒め合わせ、少量の水を(ひたひたくらい)注ぎ、弱火のまま沸騰させます。
  5. ③のムール貝から出た煮汁をざるで濾しながら、唐辛子も除き、④へ加えます。
  6. ①のじゃが芋に若干芯が残る程度に茹で上がったら、皮をむき、一口大に切り、④へ加えます。中弱火で10分ほどコトコト煮ます。
  7. じゃが芋がほっくり煮上がったら、③のムール貝の身のついていない方の貝を引き外し、嵩を減らしつつ、煮合わせて全体をかき混ぜます。味を見て塩分が足りないようなら、塩を加え好みで胡椒を加えます。
  8. パセリは、洗ってみじん切りにして、お皿に盛り付けた後、上から散らします。カリッと焼いたガーリックトーストなどを添えて、煮汁をパンに染み込ませながら召し上がってください。

  「PIATTO PRONTO!, BUONA PETITO!」