紫キャベツのサラダ
Insalata di cavolo cappucino viola
荒々しい岩肌が剥き出した山並み、幻想的なドロミテ山魂の渓谷の小さな村々で昔から作られてきた料理があります。アルト・アディジェは南チロルとも呼ばれ、長い歴史の中でハプスブルグ家支配下にあった影響からラテンとゲルマン文化が混成されていますが、料理もソーセージやザワークラウトに地ビールとドイツ圏のものと共通するものが多いです。スパイスにキャラウェイシード(carum carcvi=cumino dei parti:伊名)が味のアクセントによく使われます。またローマでも手軽に手に入るこの地方の名産にSPECK(スペック)IGPがあります。豚肉を地中海の海塩とハーブ類でシーズニングし、ブナの木などで燻製後20-24週間ドロミテの澄んだ空気の中で熟成させた燻製生ハムです。燻煙で殺菌成分や防腐成分が染み込むだけでなく、ほのかな渋みや苦味などが生み出す深い味わいが良質の肉を際立たせます。薄くスライスして食べるだけでなく、調味料のように使うことも多いのです。このスモーク行程時、セイヨウネズの葉枝とジンの香りづけに使われる球果(ginepro=ジュニパーベリー)が、重要な材料となります。今回ご紹介する一品目は、このキャラウェーシードとSPECKを使った長時間発酵しなくてもいいアルト・アディジェ風ザワークラウトの浅漬けです。
材料:目安4人分
作り方:
2品目は、爽秋の味覚として楽しめるFinferiとかGallettiと呼ばれる(アンズ茸)キノコを使います。山間では夏季の間も採れたてを日常食とし、Porcino茸のように風味を他の食材に移してというより、キノコそのものの食感や香りを味わう料理が多いようです。レストランでは高級キノコ扱いですが、ローマの市場でだって案外リーズナブル!家庭料理ならでは、ふんだんに使ってみましょう。
アンズ茸緑色リゾット、ソテー添え ~Risotto verde ai funghi galletti~
材料:目安4人分
作り方:
下ごしらえ:野菜スープを用意します。鍋に2ℓの水を入れ、そこへ皮を剥いて大きめにゴロゴロと切った野菜を入れます。野菜はセロリの葉と茎、玉葱、人参、トマト、キャベツ、西洋ねぎ、カブ、大根、ズッキーニなど冷蔵庫に半端に余っているものが利用できます。そしてパセリの茎、タイム、月桂樹の葉を少量ずつ加えます。沸騰するまで中火にかけ軽く灰汁をとったらとろ火にし、1時間くらい野菜のエキスを引き出すように煮ます。塩を小さじ1加えてさらに半時間コトコト煮て、野菜を濾したら出来上がりです。SPECKは硬い皮も水の状態の初めから加えればスモーキーな香り高いスープになります。
Bietaはきれいに洗って、塩少々くわえた沸騰湯で硬い茎の方から茹で始め、2分くらい経ったところで葉の部分も沈めて残り2分ほど茹でます。すぐにザルにとって大きく広げて仰いだりして、出来るだけ早く冷まします。ざく切りにして、ミキサーでピューレ状に挽きます。
作り方:
**加熱時間ですが、米のパッケージ表示に従いますが、全体で17分を目処にアルデンテに仕上げます。火を止めて蓋をして3~5分蒸らし、盛り付け前にもう一度よくかき混ぜます。お皿にお玉で落としポッタリした状態になったら、ニンニクを取り除いたソテーを上に乗せて粉チーズをかけていただきます。
3品目は、木の葉が色づく頃には煮込み料理が恋しくなってくる、秋の夕べに少し手をかけたお肉料理です。ここで使う豚の骨付きスネ肉ですが、トレンティーノ=アルト・アディジェ州ではこの部位が軽く燻製されたものも売られるほど、煮込んだりオーブンで長時間焼き煮して硬い筋に覆われたコラーゲン質と骨の髄からでる旨味を組み合わせて、野趣溢れる料理として人気です。ご紹介するのは、薬草のような香りのフェンネルを香味野菜としアレンジした一品ですが、赤・白問わずこの地方のワインを使ってじっくり煮込めば、そのワイルドな見た目の意に反してしっとりとした肉質は芳醇そのもの。さあ、ソースに浸すパンの用意を!
材料:目安4人分
作り方:
~ I piatti sono pronti e buona pettito! ~
《協力:後藤知美さん》