ラザーニャ(LASAGNA)
海の向こうでもおふくろの味
イタリアで人気のおふくろの味といえば、ダントツ一番「Lasagna」(ラザーニャ)と言われます。作り手の好みや技術によって変化をもたらす料理であるからでしょうか、クリスマスシーズンなど人の集まる機会には、何かと話題にあがるpiatto(一皿)のようです。
発祥はナポリ地方ですが、この御馳走パスタは各地で個々の趣向を凝らし、少しずつバリエーションを増やしていき、carciofiやradicchioなどの野菜を挟んだものや、海の幸を使ったりペーストをソースにしてあっさり仕上げたものまであります。それでも一番人気のラザーニャといえばsugoとベシャメルソースを使った伝統的なものといえましょう。大きな板状パスタを何枚も層にしていく間に、sugoと呼ばれるミンチ肉をたっぷり使った赤いミートソースとクリーミーな白いベシャメルソースの2種のソースをたっぷり敷いて、さらには数種類のチーズも間に挟んだり、上にかけて焼き上げた手の込んだ料理です。これを少し簡略化したものをイギリスやアメリカ、またアドリア海の向こう側の沿岸の国々などでもおふくろ料理としてよく食べられています。近頃では本場のイタリアのおふくろさんたちも忙しい生活スタイルのせいか、パスタは市販のものに頼ってしまう傾向にあるそうですが、時間もかかり手の込んだ大仕事となる料理こそ、その味わいも長く記憶に残り、大切な日のテーブルの主役となることは間違いありません。イタリアのおふくろ料理の手打ちパスタを作り、長い冬をゆっくり楽しんでみるのはいかがでしょうか。
材料:目安とて8人分
パスタ生地
Sugo(トマト味のミートソース)
ベシャメルソース
作り方:
Sugoを作ります。**このソースは一旦冷ましてから使うのがベターです。密封して冷蔵庫で3日程は保存可能ですので、Sugo作りから取り掛かります。
パスタを作ります。
ベシャメルソースを作ります。
パスタを茹でます。清潔な木綿の布巾数枚を用意します。大鍋にたっぷりの湯を沸かし塩(分量外)を加えて、パスタを数枚ずつ落としていきます。ゆらゆら浮き上がってきたらすくい取り、冷水にさっと通して布巾の上に広げて水切りしておきます。約3ℓ容量のオーブン皿にパスタと2種類のソース、チーズを重ねていきます。まずオーブン皿にEVO(分量外)を塗ります。そしてお玉一杯分のSugoを広げます。茹でて水分をとったパスタを容器の大きさに合わせて、一段目を敷きます。パスタ同志が重なりすぎないようにキッチン挟でカットします。ここへSugoとベシャメルソースを広げては各段パスタ層を作り、1段おきに溶けるチーズ、粉末チーズを挟むというように、5~6段ほど順に重ねていきます。最後に粉末チーズをかけたら焼く準備完了です。180℃に予熱したオーブンで約30分、全体がふつふつと焼けて表面にこんがり焼き色がついたら出来上がりです。
次に別名【冬の花】と呼ばれるキク科のチコリ(苦チシャ)の一種であるRadicchioを使ったContorno(副菜)のご紹介です。一般的にはほろ苦いイメージの野菜ですが、Treviso(Veneto州)のIGP(保護指定地域)やDOP(保護指定原産)のTardivoという品種は甘く、生食すると歯触りも軽くみずみずしい味わいがあります。手のかけられた栽培法は伝説も多く、グルメたちに独り占めされてしまって希少価値も価格もお高い野菜です。
今回は、ローマで手に入りやすい品種のPrecoceというアンディーヴと似た結球の品種を使って、この野菜の魅力を引き出す調理法をご紹介します。
Radicchioの甘酢マリネ煮 ~Radicchio stufato in agrodolce~
材料:2~4人分
作り方:
抗酸化作用効果の基準、ORACスコアがトップクラスのこのイタリアの野菜は、そのままの意味で「良薬口に苦し」であり、デトックスとアンチエイジング効果に期待できそうです。体に嬉しい豊かな食卓を囲んで、今年も健やかな新年を迎えたいものです。
I PIATTI SONO PRONTI E BUON APPETITO!BUON NATALE E BUON ANNO 2018!
《協力:後藤知美さん》