ラザーニャ(LASAGNA)

 

                                      海の向こうでもおふくろの味

 イタリアで人気のおふくろの味といえば、ダントツ一番「Lasagna」(ラザーニャ)と言われます。作り手の好みや技術によって変化をもたらす料理であるからでしょうか、クリスマスシーズンなど人の集まる機会には、何かと話題にあがるpiatto(一皿)のようです。

発祥はナポリ地方ですが、この御馳走パスタは各地で個々の趣向を凝らし、少しずつバリエーションを増やしていき、carciofiやradicchioなどの野菜を挟んだものや、海の幸を使ったりペーストをソースにしてあっさり仕上げたものまであります。それでも一番人気のラザーニャといえばsugoとベシャメルソースを使った伝統的なものといえましょう。大きな板状パスタを何枚も層にしていく間に、sugoと呼ばれるミンチ肉をたっぷり使った赤いミートソースとクリーミーな白いベシャメルソースの2種のソースをたっぷり敷いて、さらには数種類のチーズも間に挟んだり、上にかけて焼き上げた手の込んだ料理です。これを少し簡略化したものをイギリスやアメリカ、またアドリア海の向こう側の沿岸の国々などでもおふくろ料理としてよく食べられています。近頃では本場のイタリアのおふくろさんたちも忙しい生活スタイルのせいか、パスタは市販のものに頼ってしまう傾向にあるそうですが、時間もかかり手の込んだ大仕事となる料理こそ、その味わいも長く記憶に残り、大切な日のテーブルの主役となることは間違いありません。イタリアのおふくろ料理の手打ちパスタを作り、長い冬をゆっくり楽しんでみるのはいかがでしょうか。

 

材料:目安とて8人分

パスタ生地

  • セモリナ粉 200g、 薄力粉(00) 100g
  • 卵  3個、 塩 小さじ1
  • エキストラ・ヴァージン・オリーブ油(以下EVOと表記) 大さじ1
  • 打ち粉とてセモリナ粉を用意します。

Sugo(トマト味のミートソース)

  • 牛肉ミンチ(赤身肉) 350g、 Salsiccia 1個(60g)
  • 瓶詰トマト(Passato di pomodoro rustica) 2本(680gx2本)
  • 玉葱 小1個、セロリ 1本、人参 小1本、ニンニク 2片、牛乳 150ml
  • 白ワイン 150ml、乾燥オレガノ 少々、パセリのみじん切り 大さじ2
  • 塩・胡椒 適宜、EVO 大さじ2

ベシャメルソース

  • 牛乳 850cc、バター 60g、月桂樹の葉 2枚、ナツメグ 一振り、塩・胡椒 適宜
  • その他お好みでモッツアレラチーズ(水切り後小さく切ります。)を1個
  • パルミジャーノ又はグラナパダーノ粉末チーズ 適宜

作り方:

Sugoを作ります。**このソースは一旦冷ましてから使うのがベターです。密封して冷蔵庫で3日程は保存可能ですので、Sugo作りから取り掛かります。

  1. ニンニク、香味野3種はみじん切りにし、腸詰め状になったサルシッチャ(Salsiccia)を袋から出してほぐしておきます。
  2. 鍋にEVOとニンニクを入れ弱火で温め香りが出てきたら、香味野菜も入れてじっくり炒めます。牛ミンチを加えてほぐしながら中火で色が変わるまで加熱し、塩・胡椒で味付けしたら、牛乳を加えて水分がなくなるまで煮ます。
  3. 次にほぐしたサルシッチャを入れて強火で火を通したら白ワインを注ぎ、初めはアルコール分を飛ばすようにしてそして中火で水分がなくなるまで煮詰めます。最後にトマトの水煮瓶とオレガノを加えたら、ゆっくりコトコト1時間程煮込んでいきます。パセリのみじん切りを加えたら、味をみて塩・胡椒で味を調えます。(圧力鍋の場合20分加熱後、蓋を開けずそのまま冷まします。)

パスタを作ります。

  1. 作業台にセモリナ粉と薄力粉を山形に盛り、中央をドーナツ状に窪ませそこへ卵をゆっくりと割り入れます。フォークを使って卵を溶きほぐしながら塩とEVOを加えます。粉の内側からフォークで少しずつ崩していき、満遍なく混ぜ込んでいきます。
  2. もったりとしてきたら手を使って残っている粉を中央に被せながら全体に練り込み手のひらで生地を押しつぶすようにしっかりこねます。
  3. 周りの粉を集めては中に入れながら前に押し出すようにして、しっかり10~15分くらい練ります。この時生地が柔らかいようなら打ち粉(分量外)をします。表面がツルツルしっとりしてきたら、ラップに包んで1時間以上寝かせます。(冷蔵庫で1昼夜まで保存可)寝かせた生地は弾力が出て滑らかになります。
  4. 寝かせた生地を再び軽くこねます。生地は麺棒を使って伸ばすか、パスタマシーンにかけながら何度も繰り返して伸ばすかして、2mm厚さに伸ばします。伸ばした生地を12cmx15cmくらいにカットし、少し乾燥させると歯ごたえのあるパスタの完成です。

ベシャメルソースを作ります。

  1. 鍋に牛乳とナツメグと月桂樹の葉を入れ温めます。
  2. もう一つの深鍋ではバターを弱火で溶かします。そこへ茶漉しで小麦粉をふるいながら加えて、へらでよくかき混ぜながらじっくり炒めます。このルウがフツフツとしてきたら、①で温めた牛乳を少量ずつ加えては、だまにならないように泡立て器で混ぜ続けます。合わさったら次の牛乳を加え混ぜていく作業を繰り返し、牛乳の全量を加え終わってとろみが出てきたら、へらに代えて鍋底が焦げ付かないように混ぜながら煮続けます。塩・胡椒で味付けをして仕上げます。(緩めのベシャメルですが、冷えると固まり広げにくくなるため、パスタを茹でる前に作るのがタイミングとしてベストです。)

パスタを茹でます。清潔な木綿の布巾数枚を用意します。大鍋にたっぷりの湯を沸かし塩(分量外)を加えて、パスタを数枚ずつ落としていきます。ゆらゆら浮き上がってきたらすくい取り、冷水にさっと通して布巾の上に広げて水切りしておきます。約3ℓ容量のオーブン皿にパスタと2種類のソース、チーズを重ねていきます。まずオーブン皿にEVO(分量外)を塗ります。そしてお玉一杯分のSugoを広げます。茹でて水分をとったパスタを容器の大きさに合わせて、一段目を敷きます。パスタ同志が重なりすぎないようにキッチン挟でカットします。ここへSugoとベシャメルソースを広げては各段パスタ層を作り、1段おきに溶けるチーズ、粉末チーズを挟むというように、5~6段ほど順に重ねていきます。最後に粉末チーズをかけたら焼く準備完了です。180℃に予熱したオーブンで約30分、全体がふつふつと焼けて表面にこんがり焼き色がついたら出来上がりです。

 次に別名【冬の花】と呼ばれるキク科のチコリ(苦チシャ)の一種であるRadicchioを使ったContorno(副菜)のご紹介です。一般的にはほろ苦いイメージの野菜ですが、Treviso(Veneto州)のIGP(保護指定地域)やDOP(保護指定原産)のTardivoという品種は甘く、生食すると歯触りも軽くみずみずしい味わいがあります。手のかけられた栽培法は伝説も多く、グルメたちに独り占めされてしまって希少価値も価格もお高い野菜です。

今回は、ローマで手に入りやすい品種のPrecoceというアンディーヴと似た結球の品種を使って、この野菜の魅力を引き出す調理法をご紹介します。

Radicchioの甘酢マリネ煮 ~Radicchio stufato in agrodolce~

材料:2~4人分

  • Radicchio(precoce) 1株(約300g)、ニンニク(みじん切り) 1片、クローブ 3ホール
  • 黒粒胡椒 ひとつまみ、EVO 大さじ2
  • 合わせ調味料:赤ワインビネガー 大さじ1、砂糖 小さじ2、赤ワイン 大さじ2、塩 一つまみ

作り方:

  1. Radicchioは株ごとよくすすぎ水切りします。長さ半分のところで切って、葉先部分は横半分ずつに切り、株元は縦に8等分に葉がバラバラにならないように切ります。容器にRadicchioとニンニクのみじん切り、クローブ、黒粒胡椒を一緒に入れたらEVOを回しかけ、よく混ぜて全体を馴染ませます。これを冷蔵庫で一晩マリネ漬けしておきます。(香りを移し、歯ごたえを生かすための行程ですが省略しても構いません。)
  2. 1.を加熱します。フライパンを強火で熱くし、容器から丸ごと移し、Radicchioに焦げ目をつけるように焼いていきます。焼き色がついたらムラのないようにゆっくり返し、塩をふって味付けします。
  3. 合わせ調味料を鍋縁へ回し入れ、始終強火で水分が出ないように炒め煮します。歯触りを大切にするため、Radicchioを先に器へ取り出し、煮汁だけ煮詰めてからRadicchioにかけて出来上がり。

抗酸化作用効果の基準、ORACスコアがトップクラスのこのイタリアの野菜は、そのままの意味で「良薬口に苦し」であり、デトックスとアンチエイジング効果に期待できそうです。体に嬉しい豊かな食卓を囲んで、今年も健やかな新年を迎えたいものです。

I PIATTI SONO PRONTI E BUON APPETITO!BUON NATALE E BUON ANNO 2018!

 

                                                                                          《協力:後藤知美さん》

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