ムール貝パスタ入りのインゲン豆スープ
Pasta e fagioli con le cozze
北はアルペン山脈から最南端のランペドゥーサ島まで、季節毎にバリエーションを変えて特に家庭で食べられる日常食です。発祥地などの言われが明白でないのも地味な存在です。トマトやじゃがいもと同じく、クリストファー・コロンボ以降に入ってきたものですが、作家の故ウンベルト・エーコ氏が「インゲン豆なくしてヨーロッパの人口が倍増することはなかった。」と言わしめたほど、ヨーロッパの歴史の中でシルクロードから入ってきた中国の絹やインドからのスパイスと同等の恩恵をもたらした重要な材料なのです。日本でも17世紀に隠元和尚から持ち込まれましたが、世界のどこでも亜熱帯から温帯域までに行き渡り、栽培されてきました。育てやすさ、保存の容易さ、何より栄養価の高さがどんな時代にも重宝されてきました。特に他の食材との合わせ易さは、様々な料理が生み出された要因の一つでしょう。イタリア料理では一番人気がこのピアット(一皿)です。今回は、料理人の数だけバリエーションも豊富にあるといわれるこの料理でカンパーニア州で作られるムール貝と組み合わせたものを紹介します。夏の間に生育した鮮度の良い豆を鞘ごと収穫し、そのままの姿で市場に出回るBorlotti(ウズラの豆、英語名でラズベリービーンズと呼ばれる)を季節ものとして使います。トマトもフレッシュなものを使います。勿論、乾燥豆を戻し、じっくり煮たものでも、スピーディーでお手軽な瓶詰となった物やトマト缶を使っても美味しいです。この料理はムール貝の出汁をほっこりとしたお豆に煮含ませて不思議なハーモニーを楽しみます。スープの中に入れるパスタは、Ditalini、Gnocchettiなど小さい形状でパスタにスープがしみ込みやすいものがおすすめです。今回は、ムール貝の大きさに合わせてCastellaneを使用しています。
材料:目安4人分
下準備:
作り方:
もう一品、秋らしくジャンボマッシュルームをオーヴン焼きして、アンティパストにも付け合わせにもそしてチーズなどを散らしてグラタン風にするとメインディッシュにもなる一品です。
ジャンボマッシュルームのファルシ~オーヴン焼き
Funghi champignon ripieni
材料:目安2~4人分
作り方:
オーヴンまたはオーヴントースターを190℃の予熱で温めておきます。
さあ、お皿に盛り付けたら~I piatti sono pronti e buon appetito!!
《協力:後藤知美さん》