フレッシュ・トマトソース

SALSA DI POMODORO FRESCO

 

イタリア食材で一番の代表選手 トマト

これからの季節が旬であるのは云うまでも無く、7~9月の気温が高くなる頃には、

糖度もぐっとアップし、生食用のトマトはみずみずしい清涼な甘さを堪能できます。

さて、そのトマト、美味しさを左右するのは、この甘味、次に酸味、そして、旨味

を構成しているグルタミン酸。調理用のトマトは、この3点のバランスが優れていて、

抗酸化物質リコピンも過熱することで、摂取後の吸収力もさらに良くなるそうです。

そんなパワフルなトマト、ローマの市場やスーパーで様々な種類が、どれも誇らしげな姿で並んでいます。そこで、今回は基本中の基本のトマトソースを缶入りのホールトマトやカットトマトを使わずフレッシュなものを使って、トマト本来の凝縮した旨味を出してみます。GRAPPOLO(枝つきの丸い品種)、NERINA(長楕円の品種)など手に入りやすいものを購入したら、冷蔵庫に入れず(保存は利くが、味が落ちるのを防ぐため)、熟成の足りないものはビニール袋などにりんごなどと一緒に入れて常温で保存し、追熟させてから使用します。(夏場は、冷蔵庫が無難)

それでは、

 

  

材料:(4人分)

  • パスタ・・・350~400g
  • トマト・・・4個(1個90g前後のもの)
  • にんにく・・・1片
  • 塩・・・適宜(目安として小さじ1/2量)
  • バジリコの葉・・・1枝
  • エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル・・・大さじ2

作り方:

  1. トマトの皮を湯むきします。沸騰湯の中へ洗ってへたをくりぬいて、お尻の部分に包丁の先で十文字に切れ目を入れた丸ごとのトマトを20~30秒くぐらせたら、氷水に落とします。そうすることでするりと皮が剥けます。時間があれば、この皮にも果肉が付いているのでスプーンなどでしごいて、こちらも利用します。トマトの果肉は小さめのざく切りにします。(種が気になる場合は、取り除きますが皮の近くや種を覆ったゼラチン質にはソースを美味しくするペクチン旨味が多く含まれているので活用したいものです。)
  2. 口の広いソースパンなどに、芽を除いてみじん切りにしたにんにくとオリーブオイルを注ぎ、弱火でにんにくを炒め香りが出てきたら色づく前に①のトマトを一気に入れます。(油跳ねにはご注意を)さっとかき混ぜたら、塩をこの早い時点で加えていきます。味を見ながら少しずつトマトの甘・酸・旨味を塩の作用で三位一体させていくのです。甘酸っぱい水分をこくのあるソースに仕上げるため、中火で水分を飛ばしながらとろみが付くまでしっかり煮詰めます。途中、バジリコの葉を3~5枚手のひらで叩き、ちぎってソースへ加え、時々かき混ぜながらはじめの1/3量になる頃は、ペクチン作用でとろっとした旨味の濃いソースへと徐々に変化していきます。

*このソ-ス、パスタと和える場合茹で上がりにその茹で汁を多めに残しておき、ソースと一緒に良く絡ませ分量外のオリーブオイルを一筋たらし、さらに全体をまぜます。

*バリエーションとして下記のものができます。

  • アラビアータ  唐辛子を利かせた
  • プッタネスカ  アンチョビ・オリーブ・カッペリ・パセリが加えられる
  • アマトリチャーナ グアンチャーレ=豚頬肉の塩づけをカリッと香ばしく炒めたものが加わる
  • シチリア―ナ  たっぷりのナスとオレガノで風味付けたもの
  • ペスカトーレ  たっぷりの魚介と白ワインで煮込んだ

などなどあります。

*市販の缶入りホールトマトやカットトマトを手(又はミキサ―)を使って潰したものを

使用する場合も同様に、塩での調味を段階的にし、十分に煮詰めてとろみをつけることがポイントです。メーカーによって味にばらつきがあるため、一つまみの砂糖やレモン汁数的で甘味・酸味は調整できます。

ではお皿に盛って、バジリコを飾ったら、

「PIATTO PRONTO!,BUONA PETITO」